UnionWorkshop
憲法を守る運動のもっとも重要なこと
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京都地連が取り組んできた様々な運動の中で、組織の強化や組織の拡大、そしてそれを担うべき若手の次世代の組合員の養成などもろもろもちろんあります。それらをつなぐ一つの考え方で、一番重要なのは団体交渉権の社会的な行使をきちっとやることです。この社会行使とはどういうことかというと、往々にして団体交渉権は企業別組合がなかにいたっては、企業労使関係に収束してしまうわけです。残念ながら全印総連も、基本的には企業別組合の連合体であります。企業別組合の産業別連合体であって、産別労組ではないわけです。そういう中で多くの場合、この団体交渉権は企業の労使関係の中で終息してしまう。しかし現在、組織率が15%代になり、ましてや民間中小企業民間の従業員100人以下の中小企業の組織率は十数年前までは1.4%ぐらいだったので、おそらく現在では0.数%でしょう。そういう社会の中で3人のうち一人が非正規になり、圧倒的な労働者が苦難と受難の中で疲弊しています。一企業の労使関係の中で団体交渉が収束してるという状況が続く限りは、その圧倒的大多数の受難に満ちた労働者に対する窓口も開かれないし、それを阻止する手がかりも、また、救いだす手立てもない。それを突破口にできるのは我々がすでに持っている団体交渉権の社会的履行です。これを可能にするのが個人加盟組合方式の労働組合です。
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憲法で定められている労働者の団結権、これは企業内に限り行使されなければならないという規定はどこにもない。私たちは憲法で保障された権利として、企業の外に、企業とは関係ない労働組合を作る権利を持っているわけです。
そしてまたそこに加盟する自由も一人ひとりの労働者には保障されています。企業の外にある労働組合に個人加盟することによって、その企業に対してその単一労働組合としての個人加盟労組が、分会員、組合員の利益のために団体交渉を申し入れた場合、それは全く違法ではない。労働組合法に基づく単位労働組合としてでもなく、上部団体の役員としでもなく、支援や応援としてでもなく、同じ労働組合員の同じ仲間の団交として、公然と胸を張って団体交渉ができる。ストライキも法律上は可能です。
これは個人加盟組織でなければできない。その点においていまだにほとんど全てが企業別労働組合にある全印総連が、そこに非会員における団体交渉権を行使できない。おのずと今の組織形態では限界であることがわかる。それを何とか打ち破っていくために、京都地連も苦しい中で、この個人加盟の運動に対して団体交渉権を行使する形で活動している。
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実は安全視察というものをやっていますが、その背景に現在非公然の組合員がいます。できるだけ早いうちに複数名の分会として公然化してそこに我々が団体交渉権を行使して中に入っていく。そのことによって経営者は、我々の団交権は拒否できませんから、それを拒否すれば不当労働行為になるはずです。外から来た訳のわからないやつが騒いでいるのではないのです。
同じ単位労働組合の組合員が団交権を行使しようとするわけですから、拒否できません。そのことによって職場改善を図っていく。そういったことをしていきたい。おなじように????の職場に間もなく従業員が100名になろうかという職場に女性分会員がいます。これを新たに公然化して団体交渉権を、個人加盟として展開することによって、組合員に対して回答される賃上げ、(今年は3000円の賃上げがかえってきましたが)これが約100名の従業員全員に一律3000円の賃上げが実施される。という波及効果をふくんでいます。こういったことも先ほど申し上げたように団体交渉権の社会的行使があってからこそである。
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また、長らく係争状態の???グループ小川分会というのがあって、
ようやく京都府の労働委員会に対する団交あっせんに基づいて、4月に団体交渉を開設して、相変わらず団交の場に出てきて、自分は斡旋で頼まれてできただけであって、居ればいいといわれており、発言する権利も権限もないという愚態の経営者でもありますが、その団体交渉に多くの支援の労働者が集まり、これを厳しく追及することによって、多くの回答を可能とした。昨日の地連の委員長選出分会伏見島津分会で夏季一時金の団交を行いました。
長らく組合敵視をした経営者に対し団体交渉を行った。ようやく労働組合が出した経営改善計画や職場の仕事の改善提案を取り入れて、社長が初めて「何とかします」と決意を現しました。長い歴史の中でようやく一つ、分会の粘り強い交渉、そこに産別が入って社会的な団体交渉として労使関係の改善ができてきた。このように、労働組合が持っている、国民の権利である団体交渉権を企業内にしまい込まないでこれを社会的に行使するには、個人加盟組織のより大きく力強い建設が必要です。その点において、京都地連は一貫して主張している。
「産別組織の個人加盟組織は地域単位で作るべきではない。全国一本化された産業別の個人加盟組織として作る方向性を明確にすべきだ」「組織化は個人加盟を原則とし 」……
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こういった個人加盟における労働組合の団交権の社会的行使で重要だったのは、個人加盟の中に京都印刷RENTAI分会という分会を結成しております。これは各単組の組合員が二重加盟をして、一つの独立した分会として、個人加盟の組合を展開する当事者としてやっていこうということで分会を結成しています。分会員の団交を次々展開するにあたって、この連帯分会の存在というのは極めて重要である。…あわせて労働組合がストライキ権の確立の議論を徹底しようというだけではなくて、必ず要求書には「回答が不満だった場合ストライキを決行する」というストライキの予告を通告するべきである。
また、春闘や年末交渉などの山場の団交においてはその翌日にストライキを設置して、待機をして、ストありきの団体交渉で決着を図るべきである。ストライキ権というものを絵にかいた餅であってはいけない。
過労死・過労自殺・首切り・賃下げ、これだけ労働者の犠牲が増えれば増えるほど、ストライキが減っていくというのは、世界でも唯一日本だけである。労働運動史上類稀である。1974年の総行動七日間にわたるスト権スト。日本の労働者は少なくてもそれまでは資本と権力が一体となって労働者のストライキを暴力的に弾圧する。次から次へと組合員を逮捕して弾圧するということがありました。
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すくなとゼネスト以降、日本の労働者は自らストライキ権を放棄した歴史がある。この歴史の延長で労働運動の再生はない。憲法を守ろうということは私は全く異論はありません。しかし労働組合員として憲法を守る運動のもっとも重要な問題、これは私たちの先輩が命がけで作って憲法に明文化させている労働組合を作る権利・団結権、そして経営者と対等に交渉することができる団体交渉権、不満があれば納得できなければ、同盟罷業できるストライキ権。これを私たちは日々常態的に保持し行使する。行使することによって守る。
この取り組みが労働組合運動にとって何よりも憲法を守る運動の最前線である。このことを抜きしにした我々労働組合運動の憲法を守る運動はない。我々が憲法に条文化されている貴重な権利を行使しない。死文化させている状態でなぜ憲法が守れるのでしょう?労働運動の当事者・最前線にいる我々が圧倒的多数の未組織労働者を配備して、再度肝に銘じて自分たちの権利をきちっと行使することがなによりも我々労働組合が求められていることです。そのことが産業民主主義。つまり産業民主主義とは、労働者が持っているあらゆる権利、団結権・団交権・ストライキ権を行使して、職場における働き方について、発言件と参加権得を具体的に獲得することが産業民主主義であります。
経営者にいい様に働かされる、働かされる条件を押し付けられるのではなくて、我々がどういう仕事をするのかということについて、どういった働き方をするのかということについて、発言する権利と参加する権利をこれまで持っているあらゆる権利を行使して、獲得する。これが産業民主主義であり、その産業民主主義の確立の運動が我々の憲法の守る運動であります。