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UnionWorkshop
組合が強かったら…_奥田
倒産の7年前に社長の娘婿がやってきました。外国でマーケティングの勉強をしたり、中小企業診断士の資格を持っていたり、弁の立つ人でした。銀行にもうまいこと言ってお金を借り、ハイデルの6色印刷機を購入し、それが月300万の支払い。「今までの印刷ではあかん。特殊印刷に変えなあかん」という方針でしたが、ほとんどその印刷機は動きませんでした。よそもそういうことはやっていたんです。うちの営業マンはそんなノウハウがない。それと、ベテラン営業マンを追い出しました。
印刷物は営業マンに仕事が来るという構図が昔からありました。しかしベテラン営業マンを追い出したことにより、仕事の信用がなくなりました。
大美堂は50年ぐらいの歴史があって、ひじりとか包装紙とか神学者の書籍を印刷したりとそういう今まで積み重ねたもので8億円ぐらいの売り上げはあったのです。しかしベテラン営業マンをやめさせて、自分がやりたい経営をやりだしたことが会社の倒産に追い込ンでしまった。
私たち労働組合も5人で弱体化してしまっていましたので、この社長を変えるなり追い出すなりの闘いをしていったらよかったのかもしれないと、やっぱり時代の流れで高度成長が終わって、バブルがはじけてどこでも売り上げが下がってゆくという背景の中でなかなかいえなかった。
賃下げもしょうがないという雰囲気があったし、会社に迎合するというか、経営に対して反対することができなかった。そういうところを見る力がなかったというか、労働組合の力が弱ったということが大きな影響があります。やっぱり労働組合が強かったらもうちょっと頑張れたと思います。
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